うまくいえないひとたち。

analfriskerのつどい

tOkKyOn

 渋谷までは380円ですよ。360円デハ20円足りずIC 現金払い。残金、480円。 ええ、ええ 使えるのは100円 何も買えませんよ。
 なれない新宿行きの埼京線、乗り換えて渋谷行きの埼京線。そうね、バカらしいね、こんなこと。君もここで飛び込もうとしたんだっけ?いえ、違います、彼は山手線でした。そう、同じように下を向いていたんだろうね。
 渋谷駅に着いて渋谷駅で迷って、出口わからない、ハチ公口に出たいんですけど、同じ所に帰って来てしまいました。あ、こっち?そうですか、ど どうもありがとうございます。
 迷った渋谷駅での発見は岡本太郎。「明日の神話」でっかいでっかい。かっこいいな。ケイタイで写真にとった。
 動く歩道で躓く。「我に躓かぬ者は幸いなるかな」。僕のイワカンに違和感。場違いな自分。

 ハチ公前にたくさんの人。タバコの匂いと、排気ガスの匂いと、香水の匂いと。フラッシュバック、映画で見た交差点。交差点で流される。皆は流れる。
 たくさんのピアスをした真っ黒な外人、女性がなんかの勧誘。金髪の路上ライブ、警察サボんな、この前補導したろ「許可とってんのか!」ってさ。テレビ中継のカメラ、インタビューアーの髭のおじさんさ、ここ東京の中心なんだね。
 小学四年生の女の子二人、男子高校生二 三人、金髪に厚化粧の女性達、誰だかわかんない普通の人、水色髪の若い女性、気取ったハットを被った変な紳士。「イチャイチャ」 看板、の下を通る小学生の女の子。そのとなりの店の宣伝をする5歳くらいの男の子。じっと見つめる。大きな音で風俗店の宣伝の「陽気な歌」を流すトラック。陽気な女性の声で。運転手はしかめっ面のおじいさん。でっかいスクリーンが右にも左にもたくさん。交差点の音は何の宣伝? 皆キャハハハ。この交差点に手榴弾投げ込みたいなあ。
 駅の裏、といっても、金髪から15メートルくらい、の、線路下を避ける女の人。一人で入る線路下。ダンボールの家、腐敗臭、でも本当は頭の中には「死臭」という言葉。毛布で顔を隠してダンボールの上。外ではキャハハハ。ゆっくり外に出ますよ、キャハハハの中にも太った女性、さ迷える僕が会うのは二度目のさ迷える貴女とさ迷える貴女の虚ろな眼。派手なカーテン、チューリップのワッペン、出会いの場、通行人キャハ。

 知っていたし、そんなもんに驚くわけないじゃん、倫理とか知らないからさあ、とかね。やっぱり口先だけ。

 左耳のイヤホンで流れる「昼間の渋谷で会って 手を繋いで歩いても良いじゃない? 悪いことしてないわ」 出会うのはコスプレした60代のおばさん、見分けのつかないほどカッコイイ5,6人の金髪の男の人達。この人達のことですか? っていうか、貴女は、本当なの?

 帰りの切符をかって改札口に入らない。交番に突撃しようかな。交差点に突撃、知らない内に流されて覚束ない脚で交番にサヨナラ。飲み込まれて切符落としちまえばどうなんの? 有り金の100円にぎりしめてさ。それからコンクリートがある路地裏を廻った。何かあったっけ?そうだ、HOTELと「案内所」が誰も通らない道にありましたね。

 交差点に戻って、駅まで流されて、皆サヨナラ、警察の人サヨナラ、化粧のおばさん誰待ってるのサヨナラ、皆バイバイ。忘れないさ、煙の匂いも黒い人も。ミンナ、Bye-bye、誰もこっちを見ないけどねえ。

 帰りの埼京線に薬切れて花粉症最悪。下向いて帰る。車椅子に乗った身体障害者の人とその家族。お父さん悲しそう。ドアの前で邪魔で頭を下げるお父さん。僕は花粉症だから、そんなの知らねえ。ああ、もうつらい。もうつらい。新宿で途中下車。駅内一周。ああもう疲れた。山手線さあ。

 帰って来た。静けさ、故郷?もの足りね。慎ましげに、丁寧に、目立たないよう、大人しい、くだらね。つまんね。

 東京、いえ、tOkKyOn、が好き。