元気な君が好き
SMAP解散までもう3ヶ月を切った。あのニュースが確か年始で、この2年くらいでまた1年間の速さが加速してしまったことを感じる。
初期のSMAPの曲が好きだ。表題は「笑顔のゲンキ」という曲の出だし。
「元気な君が好き」のあとは「今は遠くで見てるよ」と続く。
ここだけ切り取ると多少の危うさを感じなくもないが、それは時代性によるものだろう。当時はストーカーなんて言葉も一般的ではなかったはずだ。
「どういうところが好きなの?」
誰かと付き合っていてこの質問をされるとき、いつも答えに困る。
「きっかけ」なら体験を話せばいいのだが「どういうところ」だと、答えとしては属性を求められていることになる。
「料理が上手なところが好き」
「気遣いができるところが好き」
「器が大きいところが好き」
「元気なところが好き」
料理上手も、気遣いのうまさも、器の大きさも、元気が溢れていることも、代替可能だ。この広い世界、もっと料理上手な人はいる。もっと気遣いができて、器が大きくて、エネルギーに満ち溢れていて。相手以上の人間は探そうと思えば、そこら中にいる。
この問いに答えるたびに、内心では「あなたの美点はこういうところだけど、そんな部分が明日なくなっても好きな気持ちは変わらないだろうな」と思う。
嫌いになるとしたら欠点が増えたときか、新たに露呈したときかもしれない。
元気な君が好きなら、それは遠くで見ているのが正解だなと思う。あえて伝えることはない。
いつも元気でいなければならないと思えば、それは苦痛だ。絶対にしっかり料理を作らないと許されないのもごめんだし、気遣いができなくなってしまうくらいイライラしている日もあるし、器がおちょこみたいになってしまうときだってあるんだ。誰だって。
あなたたちの中で罪を犯したことがない者だけが、この罪人に石を投げなさい。
ね。