うまくいえないひとたち。

analfriskerのつどい

2018-05-22から1日間の記事一覧

マドラー

竹久が目を覚ましたとき、聡子は歯を磨いていた。「今日は遅いのね」。今日は遅番の日だった。聡子が自分の皿を洗い始めたところで竹久はベッドから起き上がった。「今日はあの男のところに、行くのか」聡子はなんの逡巡もなく肯首した。竹久は、聡子が用意…

鏡の部屋

セツナは左手の小指の爪を丹念に整えた。他の指、ましてや足の指などはただただ身体の白い排泄が無くなるところまで切るのみであったが、左手の小指の爪だけはセツナにとってなくてはならないものだった。その透き通るような白、それに続く滑らかな艶色。セ…