うまくいえないひとたち。

analfriskerのつどい

うまくいえないひと。

燃えるような、くそみたいな生活のさなかで、どんなやり方で生きようとしても『うまくいえないひと。』になってしまうので、ひつ然てきに、インターネットのかなしい(>_<)パワーに追いやられてここ(うまくいえないひとたち = http://analfrisk3456.hatenablog.com/)までたどりついたわけですが。

 

言いたいことは何ひとつうまく言えないし、ここでミイラの話をします。いや、かつて遊び心でミイラを調べていたときの「どうにもならならなかった人生について」の、そのときのはなしをすこしだけ。

 

イブラヒム・イブン・ワスィフ・シャーによれば、8世紀のエジプト、探検隊として送られた20人の男は「ピラミッド入りを決意し、奥に達しないうちは返るまい、さもなければいっそ中で死のうと誓い合った」とあります。

 

また、1895年以降、X線写真撮影によりミイラ学は大きな進歩を見せ、日本においては木食行で即身仏が云々、ひとりで黙々と調べものをしながら、一歩外に出れば哲学堂公園の蝉が煩くて、冷蔵庫には1/2でカットされたレタスとひきわり納豆しかない。芸術的なタイミングでエアコンはぶっ壊れるし、よりにもよって調べものをしている最中に図書館で財布を盗まれるというこの人生!

 

『さもなければいっそ中で死のうと誓い合う』仲間もないので、素直に部屋に帰って、ただひたすらに馬鹿みたいな空を眺めていた。酔った勢いでスマホを便器に投げ捨てること3回、それ以上買い替えることも出来ず、ただどうしようもなく馬鹿みたいに空を眺めていた。

 

ミイラに関する古本だけが冷蔵庫の上に積まれていって、外に出るのも億劫になり、もういいや、いっそこのままミイラになろうと思ってきったねえ絨毯にエージレスドライを並べていたとき、インターフォンが鳴り響いてやり手の不動産屋によってドアがこじ開けられた。

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さて。
この話を思い出すとき、はっきり言ってあのとき死んでおけば、という気持ちがないではないけれど、そうはならなかったおかげでうまくいえない人生の1ページが残ってここでこうして記すことができたからまあいいか、というあたたかい気持ちと、でもやっぱりあのとき、というつめたい気持ちでいっぱいになります。今日は2017年の8月26日。深夜3時51分。寝室には誰もいない。


宇田川@ijafad