うまくいえないひとたち。

analfriskerのつどい

時効というものがあったなら

不思議な人だった。

ふとした時に陰がある気がした。

それが妙な色気だと思い始めたら、彼の事が気になるようになった。

 

そしていつの間にか、夢中になっていた。

 

すぐに気付いた。

彼の周りには沢山の女の人がいた。

電話もほとんど通じなかった。

「忙しい人」だった。それを信じていた。

 

私が彼に近寄ろうと一歩近づくと、彼は私から一歩遠のいた。

諦めて二歩下がると、彼は二歩詰め寄った。

付かず離れずの距離を完璧にコントロールされていた。

 

寂しがり屋の人だと気付くのはもっと先だった。

気付いた時には手遅れだった。

私をさらに加速させる材料にすらなった。

 

それなのに、終わった。

正しく表現するとしたら、始まってすらいなかったものが、消え去った。

彼の何も掴む事なく、何にも触れる事なく。

 

消え去ってから、私は彼にとってなんでもなかった事を思い知った。

 

その後、混乱が訪れた。

混乱は私を巻き込んだ。不思議と私は何も思わなかった。

けれど、関係なかったはずの信用していたものや信頼していたものが、一緒に泡になって消えた。

それについて激しい憤りはあったものの、私の選択ミスだと思う事にした。

 

もうどれくらい経ったかな。

それぞれ、決して私の目の届かない所で、幸せになってください。