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うまくいえないひとたち。

analfriskerのつどい

救いは理解の中に

アタシね、ステージに立つたびに思うことがあるの。あそこにはバケモノが棲んでいて、立ち続けると自分もバケモノになっちゃうって。

もう既にバケモノになってる、って何よ。うるさいわよ。アンタほんとブスね。そういうところよ。失礼しちゃう。

話がそれちゃったわ。バケモノ、そうバケモノよ。

 

ステージに立つのは快感。痺れるわ。視線がアタシに集中する。あそこはアタシの一挙手一投足が人の心を動かす場なの。

それは裏を返せば、常に人の視線に晒されて評価される場でもあるってこと。観客は容赦ないわ。アタシがちょっとでも上手く踊れなかったら、簡単に心が離れていくんだもの。

だからできるだけ見ていたいと思わせるために必死になる。心も身体も厚化粧をして、自分が誰なんだか分からなくなっちゃうくらいに飾り立てる。

そういう意味では、ステージに立つ人間には自分を大きく見せることができるかっていう資質が要求されるわね。その虚栄心すら見透かされちゃいけないんだもの。人を騙すためのウソをつき通せなきゃ、そこには立っていられない。

 

そんなことをずっと続けていて、ある日鏡を見て思うの。このバケモノは元々どんな顔をしていたんだっけ、って。

それでもアタシはステージに立ち続ける。アタシはアタシの存在を証明する手段を、他に知らないから。

 

ほんとバカみたいよね。どうかお願い。笑ってちょうだい。

笑われることが、アタシを救うわ。